教育訓練給付金制度は大型免許取得にも使える?種類や条件、申請方法を解説!
大型免許は、就職や仕事上で必要となって取得を考えることの多い免許ですが、一定の資格を満たすことで大型免許取得で利用できる給付金を受け取ることができるのをご存じでしょうか?給付金を活用すれば大型免許取得に関する金銭面での負担を軽減することができ、自身のキャリアアップや資格取得も目指しやすくなります。
そこで今回は、大型免許で使える教育訓練給付金の給付資格と申請方法などについて詳しく説明していきます。
教育訓練給付金制度とは?
教育訓練給付金制度とは、厚生労働省が指定した特定の講座を受講した場合に、費用の一部が支給される制度です。働く方々が自発的にスキルアップを図り、雇用の安定とキャリアアップを実現することを目的としています。
教育訓練給付金制度の種類と対照資格
教育訓練給付金制度は、個々のニーズや目指すキャリアに応じて、3種類の給付金が用意されています。
一般教育訓練給付金
一般教育訓練給付金は、雇用の安定と再就職の促進を目的としており、他2つの給付金と比較して幅広い分野の講座が対象となっています。 受講者のキャリア・スキルアップを支援する様々な分野の講座が該当しますが、趣味の範囲とみなされる講座は対象外となるため、希望する講座が給付対象となるかについては、事前にハローワークで確認が必要です。
一般教育訓練給付金の給付額は、受講費用の20%(上限10万円)となっています。
(※給付金の額が4千円を超えていない場合は支給されません。)
特定一般教育訓練給付金
特定一般教育訓練給付金は、短期間で取得可能な、特定の職種に役立つより専門性の高い職業訓練や、速やかな再就職や早期のキャリアアップにつながる訓練が対象となります。
給付額は、受講費用の40%(上限20万円)です。
専門実践教育訓練給付金
専門実践教育訓練給付金は、中長期的なキャリア形成を支援するための専門的・実践的な教育訓練が対象となります。 例えば、看護師や保育士、MBA(経営学修士)など、専門性の高い知識や技能を時間をかけて習得する講座が該当します。
給付額は、受講費用の50%(年間上限40万円)、資格取得後1年以内に就職すれば70%(年間上限56万円)に引き上げられます。
大型免許取得に使える教育訓練給付金は二種類
ご紹介した3種類の給付金のうち、大型免許取得に使える(可能性のある)教育訓練給付金制度は「一般教育訓練」と「特定一般教育訓練」の2種類です。
参照:教育訓練給付の講座指定の対象となる主な資格・試験など(PDF)|厚生労働省
教育訓練給付金制度の申請・受給資格は?
教育訓練給付金制度で「一般教育訓練」や「特定一般教育訓練」を利用するには、いくつかの要件を満たす必要があります。
一般教育訓練給付金の場合
原則として、受講開始日現在で雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、1年以上)、過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の受講開始日から今回受講開始日までに3年以上経過していることが必要です。
離職者の場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であり、かつ受講開始日において雇用保険の受給資格決定を受けているか、受給期間延長措置を受けていること、また、離職日までに雇用保険の被保険者期間が1年以上あることが必要です。
特定一般教育訓練給付金の場合
同様に、受講開始日現在で雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、1年以上)あること、過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の受講開始日から今回受講開始日までに3年以上経過していることが必要です。
離職中の場合は、離職日の翌日から1年以内であり、かつ受講開始日において雇用保険の受給資格決定を受けているか、受給期間延長措置を受けていること、また、離職日までに雇用保険の被保険者期間が3年以上あることが必要です。
教育訓練給付金制度の対象車種は?
教育訓練給付金制度の対象となる大型免許は、道路交通法に定められた大型自動車免許です。具体的には、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上のいずれかに該当する自動車を運転するための免許が対象となります。
ただし、すべての大型免許教習所やコースが教育訓練給付金の対象となるわけではないという点には注意が必要です。 給付金の対象となるのは、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座に限られます。 大型免許を取得できる教習所であっても、指定を受けていない場合は給付金を利用できません。 教育訓練給付金制度の対象となるかどうかについては、申し込み予定の教習所に確認するか、ハローワークで対象講座を検索するなどして、事前に確認するようにしましょう。
支給申請前に「支給要件照会」をしておくのがおすすめ
教育訓練給付金の支給を受けるためには、受講前にハローワークで手続きを行う必要があります。この際、自身が給付金の受給資格を満たしているか、希望する教習所やコースが給付金の対象となっているかを事前に確認するために、支給申請前に「支給要件照会」を行うことをおすすめします。
「支給要件照会」とは、受講開始日の原則1ヶ月前までに、ハローワークに必要書類を提出し、自分が給付金を受けられる資格があるかどうか、また、受講を希望する講座が給付金の対象となっているかを確認する手続きです。「支給要件照会」は必須の手続きではありませんが、事前にこの手続きを行っておくことで、実際に受講を決めてから「給付金対象から外れていた」という事態を防ぐことができます。
教育訓練給付金制度の申請方法
ここまで、大型免許取得で活用できる教育訓練給付金制度の概要についてご説明してきました。しかし、実際どのように申請を行うのか、手続きが複雑なのではないかと心配されている方も多いのではないでしょうか。ここでは、教育訓練給付金制を利用する場合の、具体的な申請方法について解説していきます。
1.教育訓練給付金の支給要件照会/講座申込
まず最初に行うことは、ハローワークでの支給要件照会です。これは先ほども触れた通り、自身が教育訓練給付金の受給資格を満たしているかどうか、そして希望する教習所の大型免許取得コースが給付金の対象講座となっているかを確認するための重要な手続きです。
支給要件照会は、原則として受講開始日の1ヶ月前までにハローワークで行う必要があります。講座の受講を決めたら早めにハローワークの窓口で相談し、必要な書類を提出して確認を受けましょう。
支給要件照会の結果が問題なければ、受講を希望する教習所に講座の申し込みを行います。教習所によっては、給付金制度を利用する場合の特別な手続きや書類が必要となる場合がありますので、事前に教習所に確認しておきましょう。
2.教育訓練給付金制度の支給申請手続き
支給要件照会で受給資格が確認でき、講座の申し込みが完了したら、いよいよ教育訓練給付金制度の支給申請手続きを行います。この手続きは、原則として受講開始日の1か月前までにハローワークで行う必要があります。
尚、「特定一般教育訓練給付金」については、2024年4月1日から、必要書類の提出期限が「受講を開始する日の原則2週間前まで」に緩和されています。(支給申請手続きについては変更なし)
参照:2024年4月1日から教育訓練給付の支給申請がしやすくなります!|厚生労働省
教育訓練給付金制度の申込時に必要な書類
支給申請手続きには、以下の書類が必要です。
▼必要書類一覧
書類名 | 内容・備考 |
教育訓練給付金支給申請書 | ハローワークで入手できます。 |
本人・住所確認書類 | 運転免許証、住民票の写し、マイナンバーカードなど。 |
雇用保険被保険者証 | ー |
教育訓練講座受講資格確認票 | 支給要件照会を行った際にハローワークから交付されます。 |
教育訓練実施者の発行する書類 | 入学許可証、受講費用の領収書など。教習所から指示された書類を準備しましょう。 |
払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード | 本人名義のものに限ります。 |
印鑑(認印) | ー |
その他ハローワークが指示する書類 | ー |
これらの書類について、不備のないようにハローワークに提出しましょう。
提出前にキャリアコンサルティングが必要
特定一般教育訓練給付金を申請する場合は、支給申請を行う前に、ハローワークでキャリアコンサルティングを受けることが義務付けられています。キャリアコンサルタントとの面談を通じて、訓練の必要性やキャリアプランについて話し合い、今後のキャリア形成に繋がるかどうかの確認を行います。 キャリアコンサルティングの予約が必要な場合もありますので、事前にハローワークに確認しておくとよいでしょう。
3.講座の受講・修了
支給申請手続きが完了したら、いよいよ教習所での大型免許取得の教習を受講しましょう。
教育訓練給付金の支給を受けるためには、教習所が定める修了要件を満たす必要があります。具体的には、学科教習と技能教習の規定時間数を満たし、卒業検定への合格が必要です。欠席や遅刻が多い場合には修了要件を満たせない可能性もあるので注意しましょう。
教習所で行う手続き
自動車教習所で入校手続きを行う際には、ハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出した際に交付される「教育訓練給付金支給要件回答書」、印鑑、免許証を持参する必要があります。回答書は教習所での手続きに必ず必要になるため、絶対になくさないようにしてください。免許証がない場合は、住民票などの代替書類を準備する必要があるため、ハローワークで事前に確認しておくと安心です。
4.教育訓練給付金の支給申請
無事に教習所を修了したら、教育訓練給付金の支給申請を行います。 この手続きは、教習所を修了した日の翌日から起算して1ヶ月以内に行う必要があります。期限を過ぎてしまうと給付金を受け取ることができなくなるため、速やかに手続きを行いましょう。
参照:Q&A~一般教育訓練給付金:Q10 一般教育訓練給付金の支給申請期間は?|厚生労働省
教育訓練給付金の支給申請時に必要な書類
支給申請手続きには、以下の書類が必要です。
▼支給申請手続き 必要書類一覧
書類名 | 内容・備考 |
教育訓練給付金支給申請書 | 支給申請時に改めてハローワークで入手します。 |
本人・住所確認書類 | 支給申請時にも再度必要となる場合があります。 |
教育訓練修了証明書 | 教習所から発行されます。 |
領収書(教育訓練経費等証明書) | 教習所から発行されます。 |
雇用保険被保険者証 | 紛失している場合は、ハローワークで再発行の手続きを行ってください。 |
教育訓練給付金支給決定通知書 | 支給要件照会後にハローワークから交付されます。 |
その他ハローワークが指示する書類 | ー |
これらの書類を準備し、期限内にハローワークに提出して支給申請を行いましょう。審査を経て問題がなければ、指定した金融機関の口座に給付金が振り込まれます。
教育訓練給付金を受給する際の注意点
教育訓練給付金を受給する際には、以下のような注意点があります。忘れずに確認しておきましょう。
雇用保険加入が必須
教育訓練給付金制度は、雇用保険の加入者を主な対象としています。そのため、給付金を受給するためには、受講開始日において雇用保険に加入していること(または離職者の場合は過去に雇用保険に加入していたこと)が必須条件となります。 国民健康保険や国民年金のみに加入している自営業の方や、雇用保険の適用を受けない働き方をしている方は、原則としてこの制度を利用することはできません。
自身の雇用保険加入状況については、給与明細や雇用保険被保険者証などで確認するか、勤務先の担当部署に問い合わせてみましょう。
前回の給付金受給から3年以上の経過が必要
過去に教育訓練給付金(一般教育訓練給付金または特定一般教育訓練給付金)を受給したことがある場合、前回の受講開始日から今回の受講開始日までに原則として3年以上の期間が経過している必要があります。 これは、給付金制度が継続的なスキルアップを支援する一方で、短期間での連続的な利用を制限するための措置です。 過去の受給履歴については、ハローワークで確認することができます。
給付には講座の修了が必要
教育訓練給付金は、講座を最後まで受講し、修了要件を満たすことが支給の条件となります。 途中で講座を辞めてしまったり、欠席が多く修了要件を満たせなかったりした場合は、原則として給付金を受け取ることはできません。 大型免許の取得を目指す場合は、学科教習、技能教習、卒業検定など、教習所が定める全ての過程をしっかりとクリアする必要があります。 安易な気持ちで受講を開始するのではなく、最後までやり遂げる覚悟を持って臨むことが大切です。
支払った費用全てが対象にはならない
教育訓練給付金は、受講費用の全額が支給されるわけではありません。給付率は一般教育訓練給付金で20%(上限10万円)、特定一般教育訓練給付金で40%(上限20万円)と定められています。また、教習所によっては、入学金や教材費、検定料などが受講費用に含まれない場合もあります。 給付金の対象となる費用は、厚生労働大臣が指定する教育訓練経費に限られますので、事前に教習所やハローワークで確認しておくことが重要です。
教育訓練給付金についてのよくある質問
最後に、教育訓練給付金についてのよくある質問と回答について、ご紹介します。
Q:失業保険と教育訓練給付金制度の併用は可能?
失業保険(求職者給付)を受給している期間中でも、教育訓練給付金を受け取ることができます。失業手当(失業保険)と教育訓練給付金は性質が異なるため、併用可能であり、教育訓練給付金が減額されることもありません。
Q:教育訓練給付金制度に年齢制限はある?
教育訓練給付金制度に年齢制限は設けられていません。 雇用保険の加入要件を満たしていれば、年齢に関わらず制度を利用することができます。 定年退職後、再就職を目指してスキルアップを図りたい方なども利用可能です。
Q:教育訓練給付金制度の資格一覧はどこで確認できる?
教育訓練給付金制度の対象となる講座は多岐に渡りますが、厚生労働省のホームページで公開されている「教育訓練給付制度 検索システム」で検索することができます。また、ハローワークの窓口でも、対象となる講座の情報を確認可能です。
Q:教育訓練給付金を利用する場合の合宿免許料金の支払い方法は?
合宿免許料金で給付金を利用する場合は振込先が異なるため、現金振込のみになります。クレジットカード決済やローンの分割払いは利用できません。
まとめ|教育訓練給付金制度の申請は早めに準備しよう!
この記事では、国の支援制度である「教育訓練給付金制度」の、大型免許取得時の活用方法をご紹介しました。給付金を受け取るには雇用保険への加入期間などの申請・支給条件もあり、対象となる大型免許の種類や教習所も決まっています。また、申請には様々な手続きや書類の準備が必要となります。教育訓練給付金制度を活用して大型免許の取得を考えている方は、ぜひこの記事の内容を参考に、余裕をもって準備を始めるようにしてください。
運転免許取得をお考えなら最安料金を保証する
合宿免許アイランドにお任せください!