免停になる違反点数とは?免許停止期間や処分者講習の費用、手続きについて徹底解説
「免停」とは免許停止の略で、運転免許証の効力が停止されることを指します。 この免停は「免許取り消し」の次に重い処分として有名で、車を日常的に使っている人にとっては死活問題といえるでしょう。
こちらの記事では、免停になってしまった時の具体的な対処方法を詳しく解説します。 免停処分者講習の費用や手続きについても解説するので、参考にしてください。
免停とはどんな処分なのか?
繰り返しになりますが、「免停(免許停止)」とは交通違反をした際の罰則の一つです。
車を運転している時に交通違反を起こすと、道路交通法により違反点数が加算されます。
そして、その合計点が一定の点数になると、免停という行政処分が行われるのです。
免停になる違反とは?
点数が加算される交通違反にはさまざまな種類がありますが、たとえばスピード違反や、悪質なものでは酒気帯び運転などがよく知られています。
特にスピード違反は警察が一斉取り締まりを行うことがあり、取り締まり期間中には大量の違反者が出ることもあります。
逆にいえば、普段から無意識の内にスピード超過の違反をしているドライバーも多いということでしょう。
免停になるとどうなる?「免許取り消し」とは
免停になると文字通り運転免許証の効力が停止してしまうので、一定期間は車を運転することができなくなります。
期間中、運転免許証は警察によって没収されますし、免許停止期限が過ぎるまでは、運転をしてはいけないという決まりになっています。
なかにはそれでも運転しようと考える人もいるかもしれませんが、これはもちろん違法行為です。
免停中に運転していることが発覚すれば、無免許運転と判断され、免停よりもさらに重い「運転免許取り消し」という処分を受けます。
そのため、免停になったら行政の指導に従い、誠実に対応することが重要となります。
免停中の身勝手な行為は厳しく罰せられますので、注意するようにしましょう。
免停になる違反点数と停止期間を確認
免停に大きく関わる違反点数は「累積点数制度」になっていて、違反する度に点数が積み重なっていくのが特徴です。
「前歴」の有無で変わる?累積点数の仕組みとは
この違反点数が何点になったら免停になるかは、「前歴」の有無によって変わってきます。
前歴とは過去の免停回数を指し、免停期間が終わると累積点数も0点にリセットされ、前歴が付くという仕組みです。前歴の回数、違反点数によって、免許の停止期間が異なりますので、次の表を参考にしてください。
前歴 | 違反点数 | 停止期間 |
0回(なし) | 6点〜8点 | 30日間 |
9点〜11点 | 60日間 | |
12点〜14点 | 90日間 | |
1回 | 4点〜5点 | 60日間 |
6点〜7点 | 90日間 | |
8点〜9点 | 120日間 | |
2回 | 2点 | 90日間 |
3点 | 120日間 | |
4点 | 150日間 | |
3回 | 2点 | 120日間 |
3点 | 150日間 | |
4回以上 | 2点 | 150日間 |
3点 | 180日間 |
免停の前歴がまったくなければ、免停処分を受けるのは累積点数6点ですが、前歴1回の場合は累積点数4点、前歴が2回以上あると2点になります。
つまり、前歴があればあるほど、免停になりやすいということです。
また、免停か免許取り消しかの判断には、過去3年間の違反点数の合計も密接に関わってきます。最後に違反してからさかのぼって3年間の違反点数が多ければ、重い行政処分になることもあるのです。
そのほかにも、交通違反の内容によっては、一回で免停や免許取り消しになる恐れもあります。
また、最後に交通違反をした日から1年間無事故無違反であると、累積点数が0にリセットされるというシステムもあります。
免停や免許取り消しの条件は、個々の前歴や違反内容によっても変わってきます。自分自身がどのような条件で免停になるのか知りたい場合は、これまでの違反点数や前歴について調べてみると分かるでしょう。
一発免停になる交通違反とは?
数々の交通違反の中には点数が高く、一度違反しただけで一発免停になるものがあります。
オービスによる速度超過の取り締まり
オービスとは自動で速度違反を取り締まる装置で、この取り締まりを受けると一回で6点以上の違反点数となり、罰金も高額になります。
免停となる条件の点数は前歴なしで6点、前歴1回で4点、前歴2回以上で2点ですから、前歴のない人でも一発で免停処分となる厳しい取り締まりといえます。
さらに、前歴のある場合にオービスの速度違反で捕まると、免許取り消しという一番重い処分になります。オービスで取り締まるスピード違反は非常に厳しい処分が行われますので、日頃からスピード違反には注意しましょう。
飲酒にまつわる違反行為
呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が検出される状態で車を運転する、酒気帯び運転も厳しい処分が行われる交通違反です。また、同じ酒気帯び運転でも、血中アルコール濃度が0.25mg/L以上であると処分はさらに重くなります。
また、類似するものに泥酔した状態で車を運転する酒酔い運転もありますが、この場合は前歴に関わらず免許取り消しの処分となります。免許を取り消されると3年間は再取得ができないので、仕事などで車を利用している人には致命的な処分となるでしょう。
免停通知書の種類とは?
交通違反によって免停になった場合には、後日通知書が送られてきます。
この免停通知書は「意見の聴取通知書」と「出頭要請通知書」の2種類が存在し、それぞれ意味合いが異なります。
免停通知書「意見の聴取通知書」の場合
「意見の聴取通知書」が送られるのは、1回の違反で免許停止期間が90日以上や免許取り消しなどの処分を受ける場合です。この通知書が送られてきた場合は、違反内容に関して具体的な事実確認を行います。したがって、違反者側も当時の状況や意見を発言できる機会を得られるということです。
そのため、一方的に処分が行われるわけではなく、場合によって罰則が減刑されることも考えられます。もちろん、すべての人の意見が認められるわけではありませんが、正当な理由があれば減刑される可能性もあります。
免停通知書「出頭要請通知書」の場合
「出頭要請通知書」が送られるのは、交通違反をした時に、前歴や累積違反点数を調べられている場合です。その結果、免許の停止や取り消しなどの処分が下されます。
この通知書を受け取ったときの注意点としては、記載されている受付場所と日時を守って出頭しなければいけないということです。
通知が届いたのに無視していたり、指定の日時を守らなかったりすると最悪の場合は一斉検挙により逮捕されます。免停通知などの無視は、懲役や罰金刑にあたる可能性があるからです。
そのため、出頭要請通知書が届いたら内容をよく確認して、すぐに対応することが重要です。
なお、場合によっては、仕事などで指定された日時に出頭できないこともあるかもしれません。そのような時は、通知書に記載されている連絡先に事前に電話をして、日時の変更などを申し出れば問題ありません。大切なのは誠意をもって真面目に対応することです。
免停期間を短縮できる?免停処分者講習とは
「免停処分者講習」とは、その名の通り、免許停止の処分を受けた人が受講する講習です。
別名「免停講習」「短縮講習」とも呼ばれる通り、この講習を受講することによって、免許停止期間を短縮することができます。そのため、免停期間を短縮したい場合には、積極的に講習を受けるとよいでしょう。
免停処分者講習の種類と免停期間短縮のポイント
免停処分者講習には短期講習・中期講習・長期講習の3種類が存在し、免停の停止期間によって受講できるものが決まっています。
具体的には、免許停止30日の場合は短期講習、同じく60日の場合は中期講習、そして90~180日の免停の場合は長期講習と振り分けられています。
受講することによって短縮される日数は、受講時の態度と筆記試験の成績によって決まります。この2つがよければ、免停期間を大幅に短縮できる可能性があります。
受講時の態度は抽象的な表現に感じるかもしれませんが、基本的には居眠りなどせずに、真面目に講習を受けていれば大丈夫です。
また、筆記試験の内容は、受講場所や地域によって変わるといわれていますが、真面目に講義を受けてしっかりと勉強すれば難しいものではありません。そのため、こちらも心構えが重要になるといえるでしょう。
免停処分者講習を真面目に受ければ、短期講習で最大29日、中期講習で最大30日、長期講習では、停止処分日数にもよりますが最大80日の免停期間短縮を実現できる可能性があります。
免停処分者講習の内容
受講することで免許停止期間を短縮できる免停処分者講習は、自動車の運転に関するさまざまな内容の講義や指導を含んでいます。
具体的な内容としては、①機器を使用した運転適性検査と診断 ②筆記による運転適性検査と診断 ③教本を使用した講義 ④運転シミュレーターによる指導 ⑤実車の運転と指導 の5つに分かれます。
①機器を使用した運転適性検査と診断
最初の機器を使用した運転適性検査と診断とは、測定機器を使って動体視力や夜間視力などを検査するものです。このデータにより反応速度や運転の正確さなどを測定し、実際のデータをもとに指導が行われるようになっています。
②筆記による運転適性検査と診断
次の筆記による運転適性検査と診断は、一種の性格診断や心理テストのようなものです。 はじめての運転免許を取得するときにも、このようなテストは行われますが、似たようなものと考えてよいでしょう。
テスト結果をもとに運転時の意識や態度を把握することによって、安全運転の指導をしてもらえます。
③教本を使用した講義
教本を使用した講義は前項でも触れましたが、その名の通り、教材を使って運転に関する知識を復習するものです。免許証取得時に学んだ交通ルールの基本をあらためてしっかりと学習します。
④運転シミュレーターによる指導
運転シミュレーターによる指導も、はじめての免許取得のときに経験した人がいるかもしれません。大型のゲーム機のようなシミュレーターで運転をして、そのデータから安全運転に関する指導を受けます。
⑤実車の運転と指導
最後に挙げた実車の運転と指導では、指導員が同乗した車を運転し、アドバイスをもらいます。なお、この運転は教本を利用した講義と違い、免停の短縮日数とは無関係になっています。つまり、純粋に受講者が安全運転の指導を受けるために行われる指導ということです。
免停処分者講習の講習日や料金
免停処分者講習の日程や料金は、短期・中期・長期それぞれで変わります。
料金や開催日程は住んでいる地域によっても異なりますが、ここでは東京都の場合を例に見てみましょう。
免停処分者講習の料金・講習時間
免停日数が40日未満の人が受ける短期講習では11,700円、免停日数が40日以上90日未満の中期講習では19,500円、免停日数90日以上180日以下の長期講習では23,400円の費用がかかります。講習料金は受講日当日に払う必要があるので、当日は忘れずに用意しておきましょう。
なお、講習場所や地域によっては電話での受講予約を受け付けていないところもあります。その場合は、本人または代理人が直接来場して予約することになるので、あらかじめ確認が必要です。
東京都の場合の講習時間は、短期が6時間、中期が10時間(2日)、長期が12時間(2日)です。
講習日は平日のみに設定されていて、土日や祝日は受講できないため、仕事などで時間の融通が効かない場合には、受講のハードルが高いといえます。
なお、今回紹介したのは2023年5月現在の東京都の情報です。住んでいる地域や受講するタイミングによって情報が異なる可能性がありますので、事前に調べておくことをおすすめします。
免停通知を受けたらすぐに対策を!
免停期間中は車を運転することができなくなり、場合によっては罰金を科せられる恐れもあります。そのため、通知を受けたら放置したり先延ばしをしたりすることはせず、すぐに対応することが大切です。
初めて通知を受けた場合には大きな不安を感じるかもしれませんが、基本は今回紹介した情報を元に、誠実に行動すれば大丈夫です。確かに免許停止は重い処分ですが、免停処分者講習などを上手に利用すれば、負担を軽くすることも可能です。
まずは、通知の内容をよく読み、最善策を考えましょう。
おわりに|免許取得を目指すなら合宿免許アイランド
今回は、「免許取り消し」の次に重い処分である「免停」について、詳しくご紹介してきました。講習を受けることで罰則を軽くできる可能性もあるので、誠実な対応を心がけましょう。
ただし、免許停止は職場や家族といった周囲からの信用を失ってしまうほどのインパクトがあり、最悪の場合は失業することも考えられます。まずは、免停処分を受けないように、日頃から交通ルールを守った安全運転を心がけましょう。
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