免停とは?免停の点数や罰金の有無、期間を短縮する免停講習についても解説
「免停」という言葉は、運転免許を持つ人なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、「免停とは具体的にどのような処分なのか」「免停とはどのような違反でなる罰則なのか」など、詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、免許停止処分(免停)に関する基礎知識から、免停になった場合の罰金や期間、免停期間を短縮できる「免停講習」まで、わかりやすく解説していきます。
免停とは?運転免許停止処分の基本知識
自動車を運転する上で、交通ルールを守り、安全運転を心がけることは非常に大切です。しかし、万が一交通違反をしてしまった場合、状況によっては「免停」という処分を受ける可能性があります。
免停の定義とは?免許取り消しとの違いは?
免停とは、正式には「運転免許停止処分」といい、道路交通法違反などの交通違反によって、一定期間運転免許証の効力を停止される行政処分です。免許証は返納し、その間は運転が一切禁止されます。
一方、免許取り消しは、より重い処分であり、運転免許の効力が失われ、再度、運転するには再取得が必要となりますが、一定期間免許を取ることができない欠格期間が設定さてるなど、免停よりも厳しい条件が課せられます。再取得には学科試験や技能試験の再受験も必要になります。
免停につながる違反行為と点数制度
免停とは、交通違反によって加算される「違反点数」が一定数に達した場合に、行政処分として課せられる罰則です。違反点数制度では、違反行為ごとに決められた点数が加算され、過去3年間の累積点数に応じて、警告、免許停止、免許取り消しといった処分が科されます。具体的な違反行為と違反点数は以下の表の通りです。
違反行為 |
違反点数 |
信号無視 |
2点 |
速度超過(30km/h以上/一般道6点) |
2点 |
酒気帯び運転 |
13~25点 |
無免許運転 |
25点 |
ひき逃げ |
35点 |
携帯電話使用 |
3~6点 |
上記以外にも、さまざまな違反行為によって違反点数が加算されます。
免停になるとどうなる?免停時の罰金はいくら?
免停になると運転免許証が返納され、一定期間運転が禁止されます。この期間中は、自動車を運転することは法律で禁止されており、違反した場合には「無免許運転」として扱われ、懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
また、免停の要因となった違反行為に対して、罰金が科されるケースもあります。罰金の金額は、違反行為の種類や程度によって異なります。
免停の点数制度とは?免停の期間との関係
運転免許は、安全運転を確保するための重要な資格です。しかし、交通違反を繰り返すと、その資格が一時的に停止される「免停」となってしまいます。この免停とは、違反の程度によって期間が異なる罰則であり、違反点数を基準とした制度によって運用されています。
違反点数の仕組みと累積点数
交通違反を犯すと、その違反の内容に応じて「違反点数」が加算されます。信号無視やスピード違反など、違反の種類によって点数は異なり、一般違反行為では1点から25点までが定められています。これらの違反点数は、過去3年間の違反履歴に基づいて累積され、その合計点数によって免停や免許取り消しなどの行政処分が決まります。累積点数が6点以上になると、免許停止処分となり、運転免許証が一定期間停止されます。さらに、累積点数が15点以上になると、免許取り消し処分となり、運転免許証が失効します。違反内容によっては、累積点数とは別に、一発で免許停止や免許取り消しになる場合があります。例えば、飲酒運転やひき逃げなどの悪質な違反は、一回の違反で免許取り消し処分となります。
免停期間は、違反点数と過去の違反歴によって異なります。過去3年間に免停や取り消し処分を受けていない場合、累積点数6点で30日間の免停となります。過去に免停や取り消し処分を受けたことがある場合、累積点数や免停期間が加重されることがあります。
違反点数は、違反行為を行った日から起算して3年間有効です。3年間無事故・無違反であれば、違反点数はリセットされます。ただし、免許停止や免許取り消しなどの行政処分を受けた場合は、処分終了後も一定期間、点数や違反歴が残ることがあります。
免停の種類とは?期間による違い(30日、60日、90日、120日、150日、180日)
免停期間は、違反点数や違反行為の種類、過去の違反歴などによって異なります。具体的には、以下の期間が一般的です。
前歴 |
違反点数 |
免停期間 |
なし |
6点以上 |
30日間 |
9点以上 |
60日間 |
|
12点以上(14点以下) |
90日間 |
|
1回 |
4点以上 |
60日間 |
6点以上 |
90日間 |
|
8点以上(9点以下) |
120日間 |
|
2回 |
2点 |
90日間 |
3点 |
120日間 |
|
4点 |
150日間 |
|
3回 |
2点 |
120日間 |
3点 |
150日間 |
|
4回以上 |
2点 |
150日間 |
3点 |
180日間 |
参考:警視庁「行政処分基準点数」
上記はあくまでも目安であり、実際の免停期間とは、警察の判断によって異なる場合があるものになります。
重大違反と即時免停となるケースとは?
酒気帯び運転、無免許運転、ひき逃げ、危険運転致死傷などの重大な交通違反は、一発で免許取消処分となる場合があります。これらの違反行為は、その場で免許証が仮停止され、後日、公安委員会の聴聞を経て正式な処分が決まります。
具体的には、以下のような行為が一発取消の対象となります。
- 酒気帯び運転:アルコールを摂取した状態で車を運転すること。呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上、または血中アルコール濃度が0.3mg/L以上の場合に該当します。
- ひき逃げ:交通事故を起こした後、負傷者の救護や警察への報告などの必要な措置を講じずに逃げること。
- 危険運転致死傷:信号無視、酒気帯び運転、過度の速度超過などの特定の危険行為を伴う運転により、人を死亡させたり、負傷させたりすること。
これらの違反行為は、自分だけでなく周囲の人々にも重大な被害をもたらす可能性があり、一発取消の対象となる違反行為を犯した場合、免許取消処分だけでなく刑事罰が科される可能性もあります。車を運転する際は常に安全運転を心がけ、交通ルールを遵守し、重大な違反行為を犯さないようにしましょう。
免停中の運転に対する罰則
免許停止期間中に自動車を運転した場合、道路交通法違反(免許停止処分期間中の運転)として、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。さらに、免許停止期間が延長されます。
延長期間は、違反行為によって加算された違反点数に応じて決まります。例えば、免許停止期間中にスピード違反で検挙された場合、スピード違反の違反点数と免許停止処分期間中の運転の違反点数が加算され、その合計点数に応じて免許停止期間が延長されます。
免許停止期間中の運転は、刑事罰を受けるだけでなく、免許の取得や更新が困難になるなど、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。絶対に運転しないようにしましょう。
免停から免許証返還までの流れ
免停から免許証返還までには決まった流れがあります。事前に流れを確認しておくことで、スムーズに免許証の返還をうけることができるようにしましょう。
免停通知書を受け取る
免停処分が決定すると、警察から「行政処分出頭通知書」が送付されます。通知書には、出頭日時や場所、持参するものなどが記載されています。通知書を受け取ったら、記載されている内容をよく確認し、指定された日時に出頭する必要があります。出頭せずに無視した場合には、さらに違反点数が加算されることになるため、どうしても出頭通知書に記載された日時が不都合な場合には、日時の変更について所定の連絡先へ問い合わせましょう。
指定された場所へ出頭する
出頭時には、行政処分出頭通知書と本人確認書類を持参する必要があります。警察で手続きを行い、免停期間中の注意事項などの説明をうけます。出頭時に運転免許証を返納するため、その後免停期間満了までは自動車を運転することはできません。
免許停止処分講習(任意)を受ける
免停処分を受けた場合、任意で「免許停止処分講習」を受講することができます。
免停講習は、都道府県公安委員会が指定した警察署や運転免許センター、民間講習機関など、さまざまな場所で実施されており、この免停講習を受講することで免停期間を短縮することができます。講習では、交通安全に関する知識や運転技術、交通事故の防止などを学び、講習時間は半日から数日程度です。講習の受講を希望する場合は、警察署や運転免許センターなどに問い合わせて、詳細な情報を確認しましょう。
免停期間満了後に免許証が返還される
運転免許停止期間(免停)が満了すると、運転免許証が返還され、運転を再開することができます。免許証の返還時期は、免停中に停止処分者講習を受講したか否かで異なり、講習受講者は講習終了日の翌日以降、講習未受講者は免停期間満了日の翌日以降に返還されます。免許証の返還場所は、運転免許停止処分通知書に記載されており、運転免許試験場や警察署などです。免許証を受け取る際には、運転免許停止処分書を必ず持参してください。
本人が病気やケガなどで免許証を直接受け取ることができない場合は、代理人による受領も可能ですが、代理人が免許証を受け取る際には、委任状と代理人の本人確認書類が必要となります。
また、万一免許証の更新期限が過ぎている場合は、免許証の返還と同時に更新手続きを行う必要があります。必要な書類や手続きは、各都道府県の運転免許センターや警察署に問い合わせましょう。
免停講習とは? 免停期間短縮のチャンス
免停講習の目的と概要
免停講習は、運転免許停止処分を受けた人が、交通安全に関する知識や意識を深め、安全運転の重要性を再認識することを目的とした講習です。講習を受講することで交通ルールや安全運転の重要性を理解し、再犯防止につなげることが期待されます。また、受講者側のメリットとして、免停講習を受講することにより、免停期間を短縮することができます。
講習内容は、交通法規、安全運転の技術、交通事故の事例、飲酒運転の危険性、歩行者や自転車との安全な共存など、多岐にわたります。講習方法は、講義、ビデオ視聴、グループワークなど、さまざまな方法が用いられています。
免停講習の種類と料金、受講場所は?
免停講習は、「運転免許停止処分者講習」と呼ばれ、都道府県公安委員会が指定する「運転免許試験場」または「指定自動車教習所」で実施されています。
講習の種類は、停止処分期間によって異なり、
- 短期講習:停止処分期間が39日以下
- 中期講習:停止処分期間が40日以上89日未満
- 長期講習:停止処分期間が90日以上180日以下
の3種類があります。
講習料金は、各都道府県によって異なりますが、おおむね1万円前後で、受講場所については各都道府県の警察署のウェブサイトなどで確認できます。
参考:警視庁「停止処分者講習の概要」
免停講習の注意点
免停講習は任意の講習ですが、受講することで免停期間を免停期間に応じて短縮できるため、受講を検討する価値は十分にあります。免停講習の受講には、違反点数や過去の受講歴など一定の受講資格があり、受講期限は運転免許停止処分通知書に記載されていますが、処分開始日から起算して6ヶ月以内と定められています。また、免停期間が6ヶ月を超える場合は、免停期間の半分が経過するまで受講可能です。例えば免停期間が180日の場合、90日以内であれば受講できます。
免停を回避するための対策と心得
日頃の安全運転を心がける
免停とは違反点数やその累積によって適用される罰則です。免停を回避するためには違反点数がつかないよう、日頃から安全運転を心がけることが最も重要です。スピード違反や信号無視など、交通ルールを守らない運転は、自分だけでなく、周りの人にも危険を及ぼす可能性があります。安全運転を心がけ、違反点数につながるようなトラブルや交通事故は起こさないようにしましょう。
交通ルールの再確認と遵守
交通ルールは、安全な交通秩序を守るためのものです。交通ルールをしっかり理解し、遵守することで、交通事故のリスクを減らすことができます。特に、スピード違反や飲酒運転は、重大な交通事故につながる可能性が高いので、絶対に避けましょう。
運転免許証の点数制度を理解する
運転免許証の点数制度は、交通違反を抑制し、安全運転を促すための制度です。この制度では、交通違反や交通事故を起こすと運転免許証に点数が加算され、一定の点数に達すると、免許停止や免許取消などの行政処分を受けることになります。免停とは、このように制度化されている罰則のため、点数制度を理解し違反点数が加算されないように注意することで、免停処分を回避することも可能です。違反点数を減らすためにも交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。
よくある質問
Q1. 免停処分を受けた場合、いつから運転できなくなりますか?
免停処分を受けた場合は、運転免許停止処分通知書に記載されている開始日から運転できなくなります。免許証は、処分が確定した後に警察署に返納します。返納期限は処分開始日ではなく、通知書に記載された指定された期間内です。
Q2. 免停中に運転したらどうなるのでしょうか?
免停とは、法律上無免許と同じ状態です。免停期間中に運転した場合、道路交通法違反(無免許運転)として、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。また、違反点数25点が加算され、免許取り消し処分や免停期間が延長される可能性があります。絶対に運転しないようにしましょう。
Q3. 免停期間中に引っ越しした場合、手続きは必要ですか?
手続きは必要です。引っ越しをした場合は、警察に届け出をする必要があります。届け出をしないと、免停期間中に運転したとみなされる可能性があります。また、免停期間が終了した後に、免許証の返還が遅れる可能性もあります。
Q4. 免停講習のテストの合格率は?
免停講習の修了試験の合格率は公表されていませんが、不合格になることは稀です。講習の内容をしっかり理解し、試験対策をしておけば、問題なく修了できるでしょう。
まとめ:交通ルールを守って、安全運転を心がけよう
この記事では、免停に関する基礎知識から、免停になった場合の罰金や期間、免停期間を短縮できる「免停講習」まで、わかりやすく解説しました。免停とは、運転免許を持つ人にとって非常に深刻な問題となりうる罰則です。交通ルールを守り安全運転を心がけ、免停処分とならないように注意しましょう。
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