卒業検定とは?検定内容と、合格のためのコツや気をつけることを解説!
卒業検定とは、自動車教習所を卒業するために行う運転技能試験です。卒業検定に合格すると、教習所の卒業証明書が交付されます。また、警視庁の指定自動車教習所を卒業すると、試験場での技能試験が免除され、学科試験に合格すれば免許証を取得することができます。
この記事では、卒業検定の概要や合格するためのコツや気をつけることについて解説します。
教習所の卒業検定とは?
卒業検定を受けるまでの流れ
卒業検定は、教習所に入所して学科や実技を学び、最後に受ける試験です。入所から卒業検定までの大まかな流れは以下のとおりです。
1 | 第一段階 | ・学科教習+技能教習 ・効果測定(学科) ・みきわめ(技能) |
2 | 修了検定 | コース内での運転技能テスト |
3 | 仮免許学科試験 | 学科試験 |
4 | 第二段階 | ・学科教習+技能教習 ・効果測定(学科) ・みきわめ(技能) |
5 | 卒業検定 | コース内+路上での運転技能テスト |
1.第一段階
第一段階では、学科教習と呼ばれる座学と、教習所のコース内を運転する技能教習の2つを並行して学びます。まずはここで運転の基礎を学びます。学科教習をすべて受講かつ、技能教習を半分以上受け終わったら効果測定を行います。この測定で、学科教習で学んだことが身についているか確認します。技能教習の最後にはみきわめを行い、第一段階で学んだ運転技能が実践できているかを教官が判断します。
2.修了検定
みきわめに合格したら、第一段階で学んだ運転技術を確かめる修了検定を受けます。教習所のコース内を運転し、課題をクリアできれば合格です。課題は主に、坂道発進、クランク、指定速度での走行などです。不合格の場合、技能の補修を受けた後に再度受験できます。
3.仮免許学科試験
第一段階のまとめとして、仮免許学科試験を受けます。第一段階の学科教習で学んだ内容から50問出題されます。そのうち、45問以上正解で合格となります。合格すると仮免許を取得できます。
4.第二段階
第一段階と同じく、学科教習と技能教習の2つを並行して学びます。第一段階と異なるのは、路上教習が始まることです。実際に公道を走行し、教習所によっては高速道路教習もあります。
第一段階のように効果測定とみきわめをクリアすると、第二段階が修了します。
5.卒業検定
最後のまとめとして受けるのが卒業検定です。卒業検定に合格することで、教習所から卒業証明書が交付されます。この卒業証明書を持参すると、運転免許センターでの本免許試験の際に技能試験が免除されます。
卒業検定の一般的な合格率
令和5年度の統計では、運転免許試験の合格率は76.8%でした。過去10年間で見ても70%以上の人が合格しています。低い数字ではありませんが、10人受けたら2,3人が落ちていることになるので、しっかりと準備をして試験に挑みましょう。
卒業検定の内容
では、卒業検定ではどのようなことを行うのでしょうか?
事前に内容やポイントを知っておくことで、当日に焦らないようにしましょう。
コースと所要時間
教習所内のコースと、路上の両方を走ります。どのコースを走るかは教習所によって異なりますが、検定員がコースを指示してくれるのでルートを覚える必要はありません。技能教習で通った道を通ることもあるので、教習の時からその道の注意点を意識しておくことで、卒業検定の際も安心につながるでしょう。
所要時間は約30分程度が多いです。ただし、不合格になった場合は、検定の途中であっても即終了となります。
採点方式と減点項目
卒業検定は、100点満点の減点方式で行われます。70点以上で合格、70点を下回った場合はその時点で検定は中止となります。採点基準は警視庁の規定によって定められています。代表的な減点項目は以下のとおりです。
点数 | 減点項目 |
---|---|
5点減点 | 半ドアでの走行、合図不履行、運転姿勢不良、急発進、停止位置不適など |
10点減点 | シートベルト未着用、エンスト、安全不確認、急ハンドル、速度超過(小)など |
20点減点 | 合図車妨害、駐停車違反、側方等間隔不保持、速度超過(大)など |
試験中止(危険行為) | 信号無視、右側通行、進行妨害、一時不停止、踏切不停止、試験官補助(ブレーキ・ハンドル・指示・装置) |
ミスの内容だけでなく、その度合いによって減点数が異なる項目があります。また、路上と教習所内で減点数が異なる項目もあり、細分化されています。
中でも、試験中止になる危険行為は、検定員が判定した時点で一発アウトです。検定員が補助ブレーキを踏んだ場合も不合格になります。検定当日に緊張していたとしても、危険行為を行わないよう卒業検定の前に確認しておきましょう。
参考:原議保存期間 30年(令和35年3月31日まで) | 警視庁
卒業検定に落ちたらどうなる?
もし卒業検定に落ちてしまった場合は、どうなるのでしょうか?
期限内なら再チャレンジできる
卒業検定に一度落ちてしまっても、再度チャレンジすることができます。ただし、卒業検定には有効期限が存在します。期限は、技能教習と学科教習がすべて終わった日から数えて3ヶ月以内です。それまでの間に合格できなければ、第二段階の教習からやり直しになってしまいます。
また、仮免許証の有効期限(6ヶ月)までに卒業検定に合格できなかった場合は、第一段階から改めて受け直さなければなりません。
一度落ちたら終わりというわけではありませんが、期限内に合格できるようしっかりと準備をして卒業検定に挑みましょう。
追加で費用がかかる場合がある
教習所やプランによっては、再受験の際に追加の費用がかかる場合があります。かかる費用は、受験料や補修の教習料金です。また、合宿免許の場合は延泊費用や食費が発生することもあります。
ただし、契約内容によっては卒業までの検定費用を保証してくれたり、「宿泊費の追加は◯日まで保証」定められていたりと、延長費用を保証しているプランもあります。自分の通う教習所・プランの保証内容を確認してみましょう。
卒業検定に合格するコツ
卒業検定の前に不安になる人もいるでしょう。
ここでは、スムーズに合格するためのコツや気をつけることをご紹介します。
指導員から意見をもらう
運転は、皆それぞれ得意なところや苦手なところがあります。無意識にやってしまうミスがあるかもしれません。そのため、普段の技能教習で指導員から注意するポイントをしっかりと聞き、意識的に改善しておきましょう。
苦手な部分は重点的に練習する
S字カーブやクランク、縦列駐車を苦手とする人も多いでしょう。苦手をそのままにしておくと、不安なまま卒業検定に挑むことになり、不合格になってしまうケースもあり得ます。
指導員にコツを聞いて、可能な場合は指導員に相談して重点的に練習するようにしましょう。苦手意識がなくなれば、検定での緊張を少し和らげることができます。
前日はしっかりと疲れを取る
卒業検定の前日は、緊張して眠れない…なんてこともあるかもしれません。しかし、運転は集中力が重要です。万全な体調で受けられるように、充分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
練習とできるだけ同じ環境で挑む
卒業検定当日はどうしても緊張してしまうもの。そういう時こそ、普段通りを心がけましょう。試験が始まったら、まずはいつもの椅子の位置、いつもの椅子の高さ、ミラーの位置にセットして、気持ちを落ち着かせましょう。焦って発進動作に入らず、普段の教習通りを意識しましょう。
動作は大きくしっかり行う
安全確認のためのミラーや左右の確認、停止動作は大切です。視線を動かして確認しているつもりでも、検定員が不十分だと判断した場合は減点になってしまいます。しっかりと首や頭を動かして安全を確認しましょう。また、停止線ではしっかりとブレーキを踏んで、完全に停止しましょう。
ミスをしても焦らない
緊張しているときは、普段しないミスをしてしまうこともあるでしょう。しかし、卒業検定は減点方式で、不合格点にならない限りは検定が続きます。焦るとさらなるミスをしてしまいかねません。ミスをしても焦らず落ち着いて、普段通りを目指しましょう。
しっかり備えて、卒業検定に臨もう!
卒業検定は、教習所で学んだことが身についているのかを確認するための試験です。検定に合格して卒業証明書を受け取ることで、運転免許センターでの運転免許試験を学科試験・適性試験のみにすることができます。
運転免許を取得するための重要な試験。準備をしっかりして、万全の状態で受けましょう。試験で問われるのは、すべて教習で学んだことです。緊張しすぎず、普段通りを心がけて合格を目指しましょう。
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