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飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転)は絶対ダメ!罰金や免許取り消しだけでは済まない違反行為

飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転)は絶対ダメ!罰金や免許取り消しだけでは済まない違反行為

「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」誰しも聞いたことがある標語だと思います。お酒を飲んだら運転してはいけないことは頭ではわかっていても、軽い気持ちで「1杯だけなら」「酔ってないから大丈夫」「バレなければ大丈夫」、そう思う方もいるかもしれません。しかし、飲酒運転は重大な違法行為です。運転した本人だけでなく、周囲の人にまで影響が及ぶことをよく知っておく必要があります。
この記事では、飲酒運転の罰則や違反点数について解説します。

 

なぜ飲酒運転は危険なのか?


飲酒運転による痛ましい重大事故は、大きな社会問題となっています。事故を機に飲酒運転の取り締まりが強化され、さらに刑事処分と行政処分が重くなりました。それでも、依然として飲酒運転による交通事故は後を絶ちません。

そもそも、「お酒を飲んで運転することは危険だ」と言われるのはなぜでしょうか?

判断力の低下・注意力の散漫

お酒は、脳や神経に影響を与えます。お酒を飲むと精神が開放的になり、気分が高揚することでスピードを出し過ぎたり、運転が荒くなったり、危険回避の反応が遅れたりと非常に危険な状態になります。
日頃は飲酒運転の危険性をしっかりと理解し「飲んだら運転してはいけない」と分かっていても、判断力が低下し、理性が薄れ自分を律する事が難しい状態になる場合もあります。普段の状態と飲酒時の状態では、判断力・注意力が劣るということを正しく理解しましょう。

運動能力の低下

お酒を飲んだ状態での運転は、判断力や注意力だけでなく、視覚、聴覚などの感覚能力も低下してしまいます。そのため、信号や標識、横断歩行者などを見落とす危険性も高まります。スピード感覚の麻痺によりスピードを出し過ぎ、加えてハンドル操作やブレーキをかける反射速度が遅くなるとしたら、事故が起こりやすくなる理由も納得がいきます。そうならないためにも、飲酒運転の危険性を正しく理解する事が重要です。また、飲酒運転しようとする人が周囲に現れた場合、必ず止めなければなりません。

もちろん、お酒を飲むと全ての人が必ずこのような状態になるとは限りませんが、「自分は大丈夫」と過信することは大変危険です。飲酒運転がどれほど危険な行為なのか知っておく必要があるのです。

飲酒運転には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2つがある


飲酒運転は、「酒酔い運転」「酒気帯び運転」の2つに分類されています。

酒酔い運転とは?

「酒酔い運転」とは、酒に酔った状態で運転することです。アルコール濃度の基準はなく、たとえアルコール摂取量が少なくても、「アルコールの影響により車両等の正常な運転ができないおそれがある状態」であれば「酒酔い」に該当します。
例えば、呂律が回っていない、足元がおぼつかないといった場合は、運転に支障が出るほど酔っている状態のため、酒酔い運転と判断される可能性があります。

参考:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」 | 警視庁

酒気帯び運転とは?

もう1つの「酒気帯び運転」とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上の状態で運転することです。たとえ酔っていなくても、基準値を超えれば「酒気帯び運転」となります。

酒酔い運転は、アルコール摂取量に関わらず、運転手が「酔いの症状がある」状態。酒気帯び運転は、運転手に酔いの症状が無くても「アルコール濃度が基準値を超えている」場合の違反を指します。

自転車でも飲酒後の運転はNG

飲酒運転は、車の運転時の違反だと思っていませんか?
飲酒運転は自転車の走行時にも適用されます。これは、道路交通法における「車両等」の定義の中に、自転車も含まれるからです。酒に酔った状態で自転車を運転した場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が罰則として科せられます。

車と同様に自転車も、酔っ払った状態では交通ルールを守った安全な走行が困難になります。「車ではないから大丈夫」といった認識は誤りです。飲酒後は「車も自転車も乗らない」を守りましょう。

参考:飲酒運転は禁止 | 警視庁

刑事処分(罰金・罰則)と行政処分(違反点数)の両方が科せられる


酒気帯び運転および酒酔い運転が発覚した場合、2つの処分の対象となります。

1 刑事処分:道路交通法違反に対するとして、罰金・罰則が科される。
2 行政処分:違反点数が加算される。

この2つの処分を混同する人がいるかもしれませんが、これらは全くの別物です。
刑事処分は飲酒運転という違法行為に対する罰則であり、行政処分は運転免許の管理という観点から適用されるものです。

刑事処分は検察の管轄

飲酒運転を検挙するのは警察。そして警察から連絡を受け、刑罰(罰金)を言い渡すのは検察です。なお、飲酒運転により交通事故を起こしている・前科があるなど悪質な場合は、罰金刑では済まない場合もあります。裁判に進み、懲役刑が科せられる可能性もあるでしょう。

行政処分は公安委員会の管轄

一方で、警察から連絡を受け、違反点数を加算するのは公安委員会です。こちらは刑罰ではなく行政処分です。運転手に免許を与えたり、免許に制限を加えたりするのは行政の範囲です。罰を科すというよりも、危険なドライバーを道路から排除して事故を防止するという意味合いが強いと言えるでしょう。

検察と公安委員会は別の組織で、同様に刑罰と行政罰も別のものです。罰金を支払ったからといって行政処分を免れることはできず、刑罰である罰金と共に免許取り消しなどの行政処分も受けることになります。

飲酒運転の処罰


飲酒運転の処罰は、酒酔い運転と酒気帯び運転で異なります。それぞれの刑事処分・行政処分は下記の通りです。

【刑事処分(罰金・罰則)】

酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

【行政処分(違反点数)】

酒酔い運転 35点
酒気帯び運転 呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満 13点
呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上 25点

酒酔い運転の処罰

酒酔い運転と判断された場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金の刑事処分を受けます。

行政処分は、違反点数が35点。違反が初回※の場合で免許取消(欠格期間3年)となります。酒酔い運転はアルコール濃度の基準での判断ではないので、酒に酔っていると判断されるとすぐに適用されます。

※ここでの初回とは、前歴及びその他の累積点数がない状態を指します。

酒気帯び運転の処罰

酒気帯び運転の場合、刑事処分による罰則は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

行政処分は、吐いた息で測定するアルコール濃度の数値によって違反点数が変わります。
0.15mg以上0.25mg未満の場合、違反点数13点となり、初回で免許停止90日相当です。0.25mg以上の場合は、違反点数25点、初回で免許取消(欠格期間2年)となります。

飲酒運転による重大事故が起こる中で、飲酒運転に関する罰則は重くなる傾向にあります。

免許停止・免許取消の違いや詳しい処分内容については、「免停とは?免停の点数や罰金の有無、期間を短縮する免停講習についても解説」の記事をご覧ください。

関連記事:免許の再取得ができない?運転免許の欠格期間について

飲酒運転で罰せられるのは本人だけではない!

道路交通法には「酒気を帯びて運転をしてはいけない」とありますが、飲酒運転に関連する禁止項目はそれだけではありません。運転者だけでなく、運転者に飲酒運転をさせた人も罰則を受けることがあります。

【車両提供者の刑事処分(罰金・罰則)】※運転者と同じ処罰

運転者が酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

【酒類の提供者・同乗者の刑事処分(罰金・罰則)】

運転者が酒酔い運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

・お酒を飲んでいる人に車を貸すこと
・運転する人に酒類を提供すること
・飲酒した人が運転する車に同乗すること
も違法行為です。運転者だけでなく、これらの行為をした人も刑事処分を受けます。1人の飲酒運転により、何人もの人間に罰則が及ぶことも十分あり得るでしょう。お酒の場において、「自分は運転しないから大丈夫」とは言えません。車を運転する人が飲酒運転しないよう、周りも律する行動を取らなければなりません。

参考:飲酒運転の罰則等 | 警視庁

飲酒後、アルコールの分解にはどのくらい時間がかかる?


では、飲酒してからアルコールが分解されるまでには、どのくらい時間がかかるのでしょうか?個人差はありますが、下記のものを1つだけ飲んだ場合でも、体内でアルコールが分解されるまでに約4時間(個人差あり)かかります。

ビール 500ml
日本酒 1合
ウイスキーダブル 60ml
ワイン 200ml

※これらのお酒には、純アルコールが約20g含まれている

たくさん飲んでいる場合は、分解にもっと時間がかかります。「少し休んだからアルコールが抜けているだろう」と判断するのは危険です。飲酒後は、絶対に運転してはいけません。

参考:飲酒運転による交通事故発生の実態!!(都内) | 令和2年12月警視庁交通部

まとめ:飲酒運転は絶対にしない・させない!


「お酒を少し飲んだけど、酔っていないから大丈夫」と軽い気持ちで飲酒運転をしてはいけません。先にも述べた通り、お酒は脳や神経に作用するため、酔っているかどうかを自分で正確に判断することはできません。飲酒運転の取り締まりで「酒酔い」かどうかを判断するのは自分ではなく警察です。たとえ少量であっても、飲んだら運転をしてはいけません。

「飲酒運転は絶対にダメ」ということは、教習所でも学ぶ基本かつ重大な違反です。ドライバーとして「飲んだら乗らない」は絶対に守らなければいけません。取り締まりで捕まるなら不幸中の幸い、最悪の場合、命を奪うことになってしまいます。飲酒運転は自分の人生だけでなく、周囲の人の人生まで変えてしまう恐れがあります。

ドライバーに車や酒を提供したり、飲酒を勧めたりした場合、自分は飲んでいなくても違反になります。まだ免許を持っていない人、これから免許を取ろうと考えている人も、周りにドライバーがいたら「飲ませない・飲んだら運転させない」を徹底し、「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」の意識を一人ひとりが強く持ちましょう。

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制作担当 前島 香

株式会社シーズンズ 合宿免許アイランド 編集部

制作担当 前島 香 合宿免許業界での10年以上の経験を活かし、制作業務やコールセンター業務を担当。全国の教習所を訪問し、現場で得た知見をもとに、「合宿免許アイランド」でお客様の役に立つ情報を発信しています。お客様の声に耳を傾け、一人ひとりのニーズに寄り添い、豊富な経験と確かな知識を活かして、教習所選びのアドバイスをいたします。

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