初心者は違反に注意!初心運転者期間制度と初心運転者講習とは?
普通免許証を取得した後、1年の間は初心運転者制度の期間となります。初心運転者期間制度を守らない場合、初心者標識表示義務違反になり、さまざまなペナルティが課されるでしょう。初心運転者制度はいろいろな決まりがありますので、そのルールをしっかりと把握することが大切です。若葉をモチーフとした初心者マークをつけることや、初心運転者講習の仕組みについては十分に理解しておきましょう。ここでは初心運転者期間制度と初心運転者講習について、主に解説をしていきます。
初心運転者期間制度とは?
運転に慣れていない初心者ドライバーの運転は事故が起こりやすい傾向にあります。特に免許取得後の1年間は要注意の期間といえるでしょう。初心者ドライバーの問題を考慮して、1985年に誕生したのが初心運転者期間制度です。初心運転者期間制度と言われてもピンとこない人は多いかもしれません。免許を取り立ての人が、最低1年間は付けなくてはならない初心者マークのことを指す、と説明すれば分かりやすいでしょう。
運転に自信がある人にとっては初心者マークを付けることに抵抗を感じるかもしれません。若葉マークをカッコ悪いと考える人も中にはいるでしょう。しかし、初心運転者期間に該当するにも関わらず、初心者マークをつけない場合は、道路交通法違反、違反点数1点 、反則金4,000円(2016年5月現在)などのペナルティを受けることになります。初心運転者期間制度の対象となる免許は、原付免許、普通二輪免許、大型二輪免許、普通免許の4つです。
初心者マークをつけていると、他のドライバーから保護されやすいメリットがあります。初心者マークをつけているドライバーに対しての保護は、交通法で定められているのです。初心者マークを付けている人に幅寄せをしたり、割り込んだりする行為は初心運転者等保護義務違反となり、逮捕される要因となります。
初心者マークは貼る位置も重要です。位置は地面から高さ40cmから120cmの間に貼るようにしましょう。車の前と後ろ、両方に貼らなければならないのがポイントです。側面に貼るのも悪くはありませんが、法律で定められているのはあくまで前と後ろになります。マグネットタイプの初心者マークは貼った位置に跡が残りやすいです。数日なら問題ないのですが、年単位になると、確実に跡が残ってしまいます。マグネットタイプの初心者マークを利用するのであれば、定期的な清掃が必要です。月に1回程度は初心者マークを外し、綺麗に掃除したあと、また貼り付けるようにしましょう。
初心者マークはマグネット式以外にも吸盤式のものも主流です。吸盤式の初心者マークをフロントガラスに貼る人をよくみかけますが、これは厳密にいうと違反になります。道路運送車両法の保安基準により、フロントガラスに貼ってよいものは制限されているのです。初心者マークはその中に含まれていません。フロントガラスに貼ってもよいものは、車検のステッカーや法定点検のステッカーなどです。これらは法令により、貼り付けてもよいことになっています。ドライブレコーダーに関しても貼ることができますが、貼れる位置が決まっていることを知っておきましょう。フロントガラスの上部から2割以内の範囲、または下部から150mm以内の範囲です。
初心者マークを貼る期間は1年間ですが、運転技術に不安がある人は、1年以降に貼り続けても大丈夫です。初心者ではない人が初心者マークを貼っていても違反にはなりません。例えば、ペーパードライバーで、久しぶりに運転に復帰した人は運転技術が衰えている可能性があります。そのようなケースでは初心者マークを有効に活用するようにしましょう。
再試験になるケースとは?
初心運転者期間中である1年間のうちに、特定の条件に触れると再試験となってしまいます。例えば、1点や2点の違反を繰り返して、合計が3点を超えた場合です。3点が付くような違反を起こしたあと、さらに1点以上の違反をしたときも、再試験の対象となります。たった1回の違反であっても、その1回が4点を超えるような違反であれば、再試験の対象です。再試験で不合格になってしまったり、再試験を受けなかったりすると免許は取り消しになります。一度合格した学科や技能試験を再度受け直すのは大きな負担となるでしょう。
初心運転者講習とは?
再試験の対象となってしまったとしても、「初心運転者講習」を受講すれば、再試験が免除されることを覚えておきましょう。講習の対象になった場合は、「初心運転者講習通知書」が公安委員会から送付されるはずです。この通知が届いていない人は、対象者ではないということになります。通知は何度も来るものではなく、基本的には1回限定のものです。郵便物を常日頃、あまり確認しない人は注意しましょう。通知を見逃してしまうと、それまでという状況にもなりかねません。
通知書が届いたら、まずは内容が合っているかどうかを確認しましょう。初心運転者講習の対象となる免許種別、違反や事故の内容、各々の点数などがチェックポイントになります。基本的には間違っていませんが、稀にミスもあるようですので、油断は禁物です。通知書が届くタイミングですが、ほとんどの場合、違反点数が基準に達してから1カ月前後で届きます。1カ月を超えても通知が届かないのであれば、こちらから連絡してみるようにしましょう。
最悪免許取り消しになるケースも!
初心運転者講習の受講は期間に制限があります。通知書を受け取った日の翌日から、1カ月後の特定日までに講習を受けなくてはなりません。例えば、2月1日に通知を受けたのであれば、3月2日が受講期限となります。受講期限が短い理由は、事故や違反を起こしたドライバーに対し、早急に対応しなくてはならないからです。安全な運転技術と知識を再度身に付けなくては、またトラブルを起こしてしまうリスクがあります。初心運転者講習や再試験を受けなければ、該当の免許が取り消されるのは当然といえるでしょう。初心運転者講習をしっかり受ける、または再試験に合格することで、免許証は保持し続けることができるのです。
初心運転者講習の内容とは
初心運転者講習通知書には、受講場所や日時が記載されています。場所は自分の住所がある都道府県内の公認自動車教習所で受講する決まりです。自動車教習所の選択方法は地域によって異なります。一覧から自分で選択できる地域もあれば、公安委員会が教習所を指定しており、自分では選べない地域もあるでしょう。教習所が指定される地域であれば、できるだけ運転者の住所に近い場所を選んでくれる傾向にあります。ただし、公安委員会は場所を選んではくれますが、講習の予約や申し込みは自分でしなくてはなりません。定められた教習所に電話をかけるようにしましょう。
初心運転者講習通知書が郵送されるタイミングで引っ越しをした際には、免許証の住所変更手続きを早急におこないましょう。住所変更手続きが間に合えば、転居先に近い場所で受講することが可能です。もし心配であれば、手続きをする際に一言、その旨を伝えておくのもよいでしょう。
通知された日時や場所の都合が合わない際には、通知書の連絡先に相談するのがよいです。特に問題なければ、変更は比較的容易に受け付けてくれるはずです。しかし、初心運転者講習を実施している場所は限られているので、すべてが受け入れられるわけではありません。例えば、自分の家の近くの教習所を希望しても、そこで初心運転者講習を実施していなければ断られるケースもあるでしょう。
初心運転者講習を受けるためにはいくつか必要なものがあります。初心運転者講習通知書や運転免許証は必ず事前に準備しておくようにしましょう。筆記用具や印鑑も必須ですし、視力が悪い人は眼鏡を持参してください。服装についても、ある程度気を配る必要があります。和服や、サンダルなど、運転に適していない格好では受講できません。原付や二輪の講習を受けるのであれば、長袖や長ズボン、ヘルメットを用意しましょう。雨に備えて雨具を用意するのも忘れてはいけません。
また、初心運転者講習は毎日行われているわけではないことも留意しなくてはならないでしょう。週に数回しか実施しておらず、受講者数も制限されています。平日だけでなく土日祝も対応しているところもありますが、曜日にこだわっていると予約はすぐに埋まってしまうかもしれません。予約が間に合わなければ、希望する場所や日時で受講できない場合や、講習受講期限である1カ月を超える恐れがあります。予約は迅速に行うのが鉄則と心得ましょう。
初心運転者講習は車種別に少人数のグループに分かれて実施されます。講習の内容はさまざまです。安全運転についての講義や運転適性検査を受けたり、路上での運転実技を実施したりします。運転実技は教習所内のコースをまずは走ることになるでしょう。運転技術の補足、および危険予測ができているかどうかがチェックされます。原付免許で運転技術に問題があると判断されると、路上走行はできません。その代わりに教習所内で原付特別訓練を受けることになります。
教習所内のコースで問題がないと判断されれば、路上走行です。同乗した受講者同士でお互いの運転について意見交換したり、指導官による運転観察が行われたりします。その他にも、運転シミュレーターを使った危険予測や講義を受けたり、講習の効果を測定するためのペーパーテストを受けたりするカリキュラムもあります。ペーパーテストで不合格になっても、再試験の免除が無くなることはありませんが、気は抜かないようしましょう。初心運転者講習がすべて完了すれば、「初心運転者講習修了証書」が渡される流れです。これを得ることで再試験が免除になります。
初心運転者講習にかかる時間は?
初心運転者講習にかかる時間をざっくりいうと、原付が4時間で、その他は7時間です。受講時間は休憩時間も含むので、実際はもう少し長い時間になると想定しておきましょう。普通免許を例にとり、初心運転者講習にかかる時間についてもう少し細かく説明していきます。
安全運転の講義や適性検査については、合わせて30分以内で手早く終わる場合が多いです。ただし、普通免許は面談もあるので、さらに20分程度長くなります。教習所のコースを走る時間は比較的長い傾向にあり、だいたい60分、路上走行になるとさらに長くだいたい90分ほどはかかるでしょう。路上走行が終わったあとは、受講者同士での話し合いの場が約30分設けられます。危険予測に関するディスカッションや講義も力を入れてやりますので、120分程度はかかると思ってよいでしょう。講習の効果測定(ペーパーテスト)は20分もあれば終わります。最後に指導官が講義を行いますが、これは40分ぐらいが多いです。
初心運転者講習の料金とは
初心運転者講習の料金は免許の種類によって変わってきます。普通免許は1万5,250円、原動機付自転車は1万700円です。二輪になると値段は上がる傾向にあります。普通二輪は1万8,750円、大型二輪は1万9,800円です。条例によって決められていますので、住んでいる都道府県や機関などによって料金は変わってくることを覚えておきましょう。また、講習料金とは別で通知費が850円かかるのもポイントです(2018年4月時点)。
初心運転者講習が免除される場合
初心運転者講習は上位免許を取得することで免除されます。例えば、原付免許を取得後、1年以内に小型特殊免許など仮免許以外の免許を取得すれば原付免許の初心運転者講習が免除されるのです。本来であれば、初心運転者講習を受講することで免除される再試験も免除されることになります。小型特殊免許のみが初心運転者期間として扱われるのです。原付よりも難易度が高い小型特殊免許を持つことで、原付に要する技術や知識は持っていると判断されるのが、この仕組みの理由となります。
普通免許で初心運転者講習の対象になったとしても、違反・事故後に大型免許、普通二種免許などを取得していれば講習は免除されます。普通二輪免許の場合は、大型二輪免許を取得していれば免除の対象です。
免許を取得したら安全運転を心がけよう!
免許を取得して1年間は事故を起こしやすい期間です。運転技術に自信あっても、決して過信してはいけません。安全運転を心がけることが大切になります。初心運転者講習の対象になったときは、できるだけ早めに受講するようにしましょう。講習を受けるタイミングが遅くなると、最悪のケースでは免許を失効することもあり得ます。初心運転者期間制度の仕組みをよく理解し、かかる時間や料金なども事前に把握しておくことで、初心運転者講習をスムーズに受けることができるでしょう。
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