免許取得ノウハウに関するコラム

違反者講習を受ける前に!知っておくべき料金や受講内容は?

違反者講習を受ける前に!知っておくべき料金や受講内容は?

自動車に乗っていて、何回か軽い違反を短期間に重ねてしまったことはありませんか。この場合、違反者講習の通知が、自宅に届く場合があります。届いた通知を見たときに、違反者講習がどういった内容のもので、講習を受けるのにいくらかかるのかが気になる人は、少なくないでしょう。今回は、違反者講習の種類と料金、講習の具体的な内容や、違反者講習の該当者となってしまう条件に加えて、受講することで受けられる優遇措置についても紹介していきます。

 

そもそも違反者講習とは?

違反者講習とは、道路交通法第108条の2第1項第13号に掲げる講習のことを指します。第1項第13号には「免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者で軽微違反行為をし、当該行為が道路交通法第102条の2の政令で定める基準に該当することとなったものに対する講習」と記載されています。つまり、運転免許証を持っている人が、軽めの交通違反をしたときに受けることになるのが違反者講習です。講習を受けるためには、費用や時間がかかるので、違反者講習の該当者にとっては負担となってしまいます。しかし、受講することで、メリットもたくさんあるのです。

違反者講習は、ドライバーの交通安全に対する意識を向上させることが目的とされています。自動車を安全に運転できるようにするため、熱意ある指導が行われるので、大きな交通事故や交通違反の軽減に繋がっています。不注意によって事故が起こってしまい後悔する前に、自らの意思で緊張感を持った自動車の運転ができるようになるのです。また、違反者講習を受講することで、免許の停止処分が免除され、違反の前歴がなかったことになります。免許の累積点数が0点にリセットされ、免許を取得したときと同じ状態になるのです。ドライバーの意識改革だけではなく、新たなスタートのための優遇措置まで付いてくるので、受講するメリットは非常に大きなものと言えるでしょう。

違反者講習の受講は、義務ではありません。任意なので、絶対に受けないといけない訳ではないのです。しかし、メリットが非常に大きいので、公安委員会から違反者講習の通知書が届いた人の多くは、受講しています。また、通知を無視して受講しなかった場合、非常に大きなペナルティがあるので、注意が必要です。

 

違反者講習の該当者になる条件

いくつかの条件が重なると、違反者講習の該当者となります。まず、違反の累積点数が6点となってしまうことが、条件の1つです。ただ、この6点は軽微な違反行為によって累積したものでなければならず、「速度超過30(高速40)以上50未満」のような1つの違反行為で6点以上の場合は該当しません。点数が1~3点の違反行為によって、累積点数が6点となったときに違反者講習の該当者となるのです。点数が1~3点の違反行為としては「信号無視(赤色等)」「踏切不停止等」「駐停車違反(駐停車禁止)」「携帯電話使用等(交通の危険)」などがあります。これらの点数はあくまで基礎点数であり、酒気帯び状態で運転してしまうと最低でも14点となってしまうのです。お酒を飲んだら絶対に運転しないようにしましょう。

累積点数以外にも3つの条件があります。1つ目は、違反者講習を過去3年の間で受けていないという条件です。そして、2つ目は、過去3年以内に免許停止や免許取消の行政処分を受けていないという条件が必要となります。そして、3つ目は「道路外致死傷」や「重大違反そそのかし等」を過去にしていないことです。道路外致死傷とは、私道など公の道路以外で起こしてしまった人身事故などが該当します。重大違反そそのかし等とは、自分は運転をしない状態で、他人に重大違反をさせたり、重大違反を助けたりする行為のことです。重大違反とは、酒酔い運転や麻薬等運転、救護義務違反、共同危険行為等禁止違反などが該当します。

以上のような条件をすべて満たさなければ、優遇措置である違反者講習を受けることはできません。

 

違反運転者講習との違い

免許に関する講習の種類は多数存在し、名前が良く似ているため困惑してしまう人も少なくありません。特に、ここまで説明した違反者講習と「違反運転者講習」は、字づらが非常に似ており、違いがわかりにくいです。ただ、講習の内容や該当条件などは、違反者講習とまったく異なります。まず、違反運転者講習を受けるタイミングは、免許を更新するときです。免許を更新するときに受ける講習は「優良運転者講習」「一般運転者講習」「初回更新者講習」そして、違反運転者講習の4種類があります。ドライバーの運転期間や違反状況によって、免許更新時に受ける講習が異なるのです。

違反運転者講習は、過去5年間に1~3点の軽微な違反が2回以上あるか、4点以上の違反や交通事故を起こしてしまった人が対象となります。よって、この条件にあてはまらなければ、2時間の違反運転者講習を受ける必要はなく、別の講習を受講することになるのです。免許を取得してから5年以上が経過しており、過去5年間で違反していなければ、30分で終わる優良運転者講習を受けることになります。ちなみに、優良運転者となれば、免許証の色がゴールドです。

一般運転者講習は、免許を取得してから5年以上経過した人が、過去5年で1~3点の違反を1度だけしてしまった場合、受けることになります。一般運転者講習の所要時間は、1時間です。また、初回更新者講習は、運転免許を取得してから5年以内の人が、無事故無違反もしくは1~3点の違反を1度だけしてしまった場合、受けることになります。初回更新者講習は2時間あり、違反運転者と合同で行われる場合もあります。違反者講習と違反運転者講習の最も大きな違いは、違反運転者講習を受けても違反点数がリセットされないところです。よって、更新後も累積点数を積み重ねないようにしなければ、免許の停止処分に繋がってしまいます。1年以上、無事故無違反なら累積点数がリセットされるので、心して安全運転に努めましょう。

 

違反者講習の具体的な内容

違反者講習を受ける人は、大きく分けて内容の違った2つから選ぶことができます。1つは社会参加活動を含む講習で、もう1つは社会参加活動を含まない講習です。社会参加活動を含む講習は、さらに2つに分かれます。事前体験コースと当日体験コースの2つで、ボランティア活動の実施と座学による講習を受けることになるのです。事前体験コースの場合は、指定した講習日に社会参加活動を行い、別の日に指定した講習日で座学などを受けることになります。当日体験コースでは社会参加活動を行う日と、座学などを受講する日が同日です。

社会参加活動の内容は、あらかじめ都道府県で決められています。ほとんどの内容が、交通安全に関わるボランティア活動です。例えば、歩行者が道路を安全に横断できるように通行の補助誘導を行ったり、交通安全ポスターやチラシを作成して配ったりする啓発活動などがあります。他にも、車の運転中に重要となるカーブミラーの清掃や、安全に道路を利用できるよう放置自転車の撤去作業の補助などの環境整備を体験することになるのです。街頭に立ってボランティア活動をする場合は、目立つ色の帽子とタスキなどを着用して作業が行われることもあります。

社会参加活動を含まない講習の場合は、ボランティア活動の代わりに運転シミュレーターを利用した運転指導が行われます。運転試験場によっては、実車を用いた運転指導が行われる場合もあるのです。もちろん、座学も受講する必要があり、運転の基本ルールを再確認したり、大きな事故に繋がってしまう危険運転を認識させるビデオを鑑賞したりします。

 

違反者講習の料金はいくら?

違反者講習は4つのコースに分かれて、料金が設定されています。1番高いコースは、当日体験コースの社会参加活動が含まれないAコースです。Aコースでは、運転者教育課で実車を使った安全運転講習が、社会参加活動の代わりに含まれています。Aコースを受けるための手数料は、1万3,400円です(2019年4月現在)。Aコース以外の他の3つのコースには、ボランティア活動が含まれています。当日体験コースのBコースでは、座学に加えて運転者教育課で交通安全活動体験講習が含まれており、受講にかかる手数料は9,950円です(2019年4月現在)。

事前体験コースに該当するCコースとDコースは、講習を終えるまでに2日間が必要です。また、事前に予約を行わなければなりません。Cコースは、地域交通安全活動推進委員協議会のボランティア活動を体験することになります。ボランティア活動の体験の予約は、運転者教育課へ自ら電話予約しなければなりません。予約をした日にボランティア活動を行い、後日、座学と考査が行われます。Cコースの手数料は、9,950円です(2019年4月現在)。

Dコースの場合は、地域福祉の推進を目的としている民間団体である社会福祉協議会のボランティア活動に参加することになります。ボランティア活動を行っている協議会に自ら電話予約することが必要です。社会福祉協議会が行う交通安全活動を体験し、後日、座学と考査を受けることになります。 Dコースの費用は、9,950円です(2019年4月現在)。

 

違反者講習にかかる時間は?

当日体験コースであっても、事前体験コースであっても、違反者講習の合計時間は6時間です。当日体験コースは、プロジェクターを使った座学の講義が3時間行われ、その後にAコースなら実車による運転講習、Bコースならボランティア活動が2時間30分行われます。最後に感想文を作成する考査が30分設けられており、合計で6時間となるのです。ボランティア活動が含まれないコースは、当日体験コースにしかありませんので、ボランティア活動を希望しない場合、1日中講習を受ける形となります。

事前体験コースの場合は、電話予約で決まった日に交通安全のボランティア活動が2時間30分行われ、別の日にプロジェクターを使った座学の講義を3時間受けることになります。当日体験コースと同様、最後に感想文を作成する考査が30分設けられており、2日間の合計で6時間となるのです。当日体験コースや事前体験コースを、どのタイミングで受けなければならないのかについては、公安委員会から送られる違反者講習通知書に記載されています。通知書には受講日と受講場所が記載されていますが、講習日に他の予定があったり、講習場所に向かうことが困難であったりする場合もあります。そんなときは、受講日や受講場所を受講期間内の違う日に移したり、場所を変更したりすることが可能です。

受講期間は、違反者講習通知書が自宅に届いた翌日から1カ月以内となっています。土曜日や日曜日、祝日や年末年始などは、講習を受けることができません。月曜から金曜日の平日を選んで受けるようにしましょう。また、海外旅行や災害などのやむを得ない事情がない限り、この受講期間内に受けなければなりません。

 

違反者講習を受けないとどうなる?

優遇措置があり、受けることでメリットが非常に大きい違反者講習ですが、通知を無視して受けないと非常に重いペナルティがあります。まず、違反点数が6点と累積しているので、30日間の免許停止の行政処分を受けることになります。毎日、仕事や生活で車を運転している人にとっては、死活問題と言えるでしょう。また、停止処分者講習を受講することができなくなってしまいます。停止者処分講習というのは、運転免許の停止処分を受けた人が受講する講習で、受講することで免許の停止期間を短縮させることができるのです。違反者講習を受けないと、この免許の停止処分を受けた人への救済措置を受ける権利を失ってしまいます。

また、その後に他の違反をしてしまった場合、行政処分の日数が大幅に加重されてしまうのです。運転ができない期間がさらに増えてしまうので、通知が来たら違反者講習を受けるようにしておきましょう。ちなみに、免許停止処分を受けているときに車の運転を行った場合、「無免許運転」となります。よって、累計点数6点の状態に25点が追加され、合計31点となり免許の「取消処分」を受けることになってしまうのです。取消処分を受けてしまうと、公安委員会が指定した1~10年の間、通常では免許を取得することができなくなってしまいます。もし、免許の停止処分を受けたとしても、絶対に運転をしないようにしましょう。

 

違反者講習の料金を把握しておこう!

違反者講習には4種類のコースがあり、通知を受けた人が自分で選ぶことが可能です。また、コースによっては、料金や内容が変わってきます。違反者講習がどういった内容で、費用がいくらくらいかかるのかを前もって把握しておくことで、スムーズに受講できるでしょう。違反者講習通知書が手元に届いたら、メリットが多いので受講することをおすすめします。 

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合宿免許アイランド運用編集部

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